この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
救いには愛の手を
第2章 馬車の中で
馬車にはミネアの他に、数人の侍女達もいた
彼女達は皆アルカディア帝国へ遣える女性で、ミネアより少しばかり歳上だった
「王女様…いえ、未来のアルカディア王妃様、お会い出来て光栄ですわ」
向かいに座っていた一番歳上に見える侍女は頭を下げた
「あ、頭を上げて下さい…」
恭しく頭を下げられたので、ミネアは慌てた
「王妃なんてまだ先のお話です…」そう小さく呟いた声は、馬車の揺れる音に掻き消された
「私の名はニアレット、これから先もミネア様の身の回りのお世話をさせて頂きます
そして、そちらの金髪がシェリー、赤毛がリオですわ」
二人の侍女がペコリと頭を下げた
「ニアレットさん、シェリーさん、リオさん…よろしくお願いしますね」
ニコッとミネアは笑って頭を下げた
「あらあらまぁまぁ…王妃様に頭を下げられるなんて…」
「滅多に無いことだわ!」とニアレットは笑って見せ、二人の侍女もフフッと笑みを漏らした