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第5章 肉欲の薔薇

監督の褒め言葉に、
嬉しい気持ちでいっぱいになる。

私がＡＶ女優になったのは、
それなりの覚悟をしたから。

いや‥‥‥
実際の私は、
ラストチャンスと清水に言われ、
本当に悩んだ。

この世界での成功を諦めて、
普通の女の幸せを追いかけるなら、
まだ遅くなかった。

この世界での成功は、
チャンスを掴めるか？
掴めないか？

私は裸になってから、
必死だった。

もがきながら、これ以上、怖いものはないと、
度胸もついた。

普通に生きていたら、味わえないセックスもしてきた。

普通に生きていたら、必要もないセックス。

ここに居るから、セックスを悦びにして、

私の裸を見て！
濡らして！
快感を頂戴！
私を綺麗に撮って！

これしかなかった。

失うものはない。
目の前に得るものがあるなら、
私は手を伸ばして掴みたい‼︎