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第5章 肉欲の薔薇

かつて私も売れない女優時代に、
キャバ嬢のバイトをしていた。

生活を繋ぐ収入源としか思わず、

私はいつか花開く女優になると、
意気込みだけは立派だった。
座って時給稼いで、ナンボくらいにしか考えてなかったし、
手っ取り早く稼ぎたいが為の手段だった。

お客様に口説かれた日もあったが、
自分をキャバ嬢として売り込むなんて、
考えてもいなかった。
商売気もなく、若さだけが売りであり、
珠紀が演じるジュリのようなプロ意識もなかった。

きっと‥
私に欠けていたのは、
プライドだけが高い、
可愛げもなく、
仕事の出来ないイヤな女の典型的なパターンを、
繰り返していたのではないだろうか？

気づきがある度に、私は生まれ変われるような気がした。

私は、瞳を演じてチャンスを掴む。

女優 岬エリカにしか演じられない、
演技を魅せる。