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裸の女神
第5章 肉欲の薔薇

激しいセックスは、
二人の心も身体も結ぶ。


多分、性愛から本物の愛に辿り着いた感情が、
二人を狂ったように求めさせたのではないか?


司馬は瞳を抱きながら、呟く。

「なぁ、瞳。
消えない薔薇を残さないか?」

「消えない薔薇?」

「タトゥーをいれるんだ」

「先生‥‥‥
それは‥‥‥‥」

「瞳がもう半年しか生きれないとしたら、
何がしたい?」

「えっ?」

「俺が余命半年なら、
好きな女と限界までセックスをする。
芸術家 司馬理一としての最期を選ぶ。
人生で悔いのない作品を残す」

「先生‥‥‥
どういう意味ですか?」

「瞳の身体に俺の化身を残したい。
気高い薔薇の花をね、瞳の身体に咲かせるんだ。
怖いかい?」


身体にタトゥーなんて‥‥‥
怖い‥‥‥
そして消えない‥‥‥
でも‥‥‥先生の化身は欲しい。



ごくごく普通に育ってきた瞳。
自分の身体にタトゥーをいれるなんて‥‥‥
そんなことを考えた事もなかった。


司馬の言葉も、
聞かなかった事にしたいくらい、
この申し出にはこたえたくなかった。
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