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裸の女神
第5章 肉欲の薔薇
清水の腕の中で泣いたら、
落ち着きを取り戻した。

「台本にはない、
演技を越えた演技。
エリカが瞳とシンクロしたんだ。
演技の女神が舞い降りたように、
俺は鳥肌が立つくらい興奮した。
エリカ、いい女優になったな」

清水は静かに言う。

「この先の不安は、
私も瞳と一緒よ」

「何が不安だ?
エリカには最後まで俺が居るよ」

「清水‥‥‥」



AV女優になり、
世間に肌を晒し、
裸の女神
オナペットにしたい女優
妖艶エリカなど、
裸にならなければつきまとわないイメージに、
私は泣いていた。

もう、普通には生きれないんじゃないか?
ってね。


でも、
平凡ではない人生を歩む女なら、
覚悟を持って、生きる事を強いられる。


私は瞳を演じきる。

平凡じゃなくなった瞳を、
演じる女優は、岬エリカしか居ないのだから。
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