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第5章 肉欲の薔薇

司馬が倒れるまで、
瞳は恋人としての日々を幸せに送る。

倒れた後も献身的に司馬の元に通った。

やがて愛する人がこの世を去る時、
意識が朦朧とする中で、
司馬の手を取り瞳は言う。

「私の中であなたの永遠が宿ったの」

返事のない司馬。
司馬の掌をお腹にあてる。


「あなたとの愛は、
永遠よ。
あなたの分まで愛します」

意識のない司馬が一瞬微笑む。



最期の最期に手に入れる永遠もある。
エリカは瞳が少し羨ましく思えた。


卯月が演じる司馬を、
本当に愛しく思い、
気丈に振る舞おうとする瞳を演じていながら、
切なさがエリカの身体を突き抜け、
涙が自然に溢れ、
涙を拭いながら、
下唇を噛み締め、
司馬の手をギュッと握る。





「有難う。
巡り会ってくれて。
私を見つけてくれて。

そして‥‥
愛してくれて、有難う」






この台詞をラストに、
クランクアップを迎えた。




露木監督を始め、
共演者やスタッフから拍手喝采を浴びた。