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裸の女神
第8章 心に咲く花。
久々に帰った故郷の懐かしさ。

母の手料理。
大好きな卵焼きや天婦羅、煮物に、
母の漬けるお漬物などを食べた。
美味しくて、嬉しくて涙が出た。

隣で弘毅は私を見守り、
ちゃんと、
「直子さんを僕に下さい」
と言ってくれた。

両親から祝福され、
清水弘毅の妻となり、
島田直子から清水直子になり、
女の幸せも手に入れた。


私は幸せを噛み締めながらも、

岬エリカとして、
女優であり続けた。







「はじめまして。
今日はお世話になります。
新人の青山陽毬(あおやま ひまり)
です」

エリカの楽屋に新人女優が挨拶にきた。

「こちらこそよろしくお願いします」
エリカも挨拶をする。

「岬エリカさんは私の憧れでした。
お会い出来て、
この映画に出させて頂けるなんて光栄です」

「えっ⁉︎
あら、冗談でも嬉しいわ」

「冗談じゃあないんです。
本当です。
私は、岬エリカさんに憧れて、
この世界に入りました」

「本当に嬉しいわ。
そう言って貰えると。
一緒にいい映画にしましょうね!」

「はい。
岬さん、
孤独なひまわりを覚えてますか?」

「⁉︎」
エリカは、驚いて目の前の青山陽毬を見る。

「私はあなたに会いたくて、
もう一度、
太陽の光を浴びたくて、
ここに来ました。
岬エリカさん、
あなたが私の太陽なんです」


一瞬、唖然とした。
そして、青山陽毬をエリカは抱き締めた。


「覚えてるわ。
こうしてあなたに会えるなんて‥‥
嬉しいわ。
こんなに嬉しい事はないわ。
有難う」
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