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第8章 心に咲く花。

映画製作の記者発表。


大勢の記者が押し寄せ、
フラッシュの光を浴びる。

司会が進行の挨拶をする。

「これから、
《映画 あけない夜はない》の記者会見を始めます。
主演の岬エリカさんからの、
ご挨拶から始めさせて頂きます」

エリカにとって、
主演第二弾となる。

エリカは清楚な紺のワンピースを着て、
会見会場の挨拶に臨む。

これまでのイメージを覆すような役に挑む。


美しく、強く、
そして優しさのオーラを纏ったように、
圧倒的な存在感で、そこに立っていた。

マイクを向けられ、
眩しいフラッシュの光の中で、
女神は微笑む。


「今回は、女性刑務官の役の氷室恵子役をやらせて頂きます、岬エリカです。

台本を読んで、
こんな大役を私でいいの？
と思ったのが率直な気持ちです。

罪を犯した女性と刑務官との壮絶な戦い、
心の葛藤を描いた作品です。

罪は消える事はないけど、
ずっと闇は続かない。

眩しい光が、
差し込む日が必ず来ると、
信じる心の在り方を、
この物語の主人公になりきり、
台詞の一つ一つを大事にし、
演じてゆきたいと思います」



「私生活でもご結婚されて、
幸せいっぱいの岬エリカさん。
おめでとうございます。
エリカさんの演技がみものですね」

会場から拍手が湧き上がる。
エリカは一礼して前を向く。

その凛とした姿は、
一流の女優そのものだった。



「続いては、
この映画のオーディションを勝ち抜き、
大抜擢された、新人の青山陽毬さんからのご挨拶です」