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蛇神様の花の宴
第2章 暗夜とお菓子作り
どうやらずっと様子を伺っていたらしい。
暗夜は最近、下界の料理にハマっているのだ。

そういえば、人間界のことに疎い彼は、そもそもバレンタインを知らないのかもしれない。

「こ、これは、好きな人にあげるお菓子です。明日は、こういうお菓子を渡す日なんです」

美鎖が恥ずかしそうに説明すると、暗夜はまな板の上に刻んであったチョコレートを口に放り込んだ。

「匂いも甘いが、味も甘い」

今度は失敗作のクッキーを噛み砕いて顔をしかめる。

「こっちは辛い」

「すみません、私が作ったものなので」

軽く怨めしそうな顔をしてみるが、暗夜は食材に夢中で全く気づかない。
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