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蛇神様の花の宴
第2章 暗夜とお菓子作り
「これが、れしひ? というものか?」
正しくは「レシピ」なのだが、料理本に頭を突っ込むように読みいっている暗夜には、少し言いにくい。
「美鎖、俺も作っていいか?」
「……はい、そう言うと思っていました」
ぶっきらぼうな暗夜が、口を引き結んだまま目を輝かせる。
その表情に美鎖は笑ってしまった。
「でも、一緒に作ることは、他の二人には内緒にしてくださいね」
正直、美鎖一人ではちゃんとしたものを作れる自信がなかった。
暗夜の申し出は渡りに船だ。