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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第2章 恋の唄
「奥方さまのように真っすぐに人に向き合おうとする女人に出逢うたことはござりませぬ。その一途でひたむきな瞳に引き込まれぬ男は一人としておりませんでしょう」
 保邦はしばらく眼を瞑って何かを考え込んでいた。
 やがて眼を開き、言葉を一つ一つ吟味するように、ゆっくりと言った。
「お館さまと前(さき)のお館さま―つまり先代があまり仲好くなかったという話はご存じにござりますか?」
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