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第2章 恋の唄

「お館さまは、けして実の父親を手にかけるような男ではござらん。敵方に対して情け容赦なくふるまうことも、女人に対してだらしなく、いささかゆき過ぎのところがあるのは確かではありますが、かといって、まかり間違っても、親父どのを手にかけたりはしませぬ。親父どのが亡くなられし砌、お館さまは二十歳、私も既に十五になっておりました。毒殺の事実など全くあり得ぬ話であることは、この私が身命に賭けて誓えまする」