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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第3章 転機
「もう良い」
 ひと声投げつけるように言って立ち去ろうとする邦昭の背に向かって、徳姫の懸命な声が追い縋った。
「里帰りの件は、いかがあいなりましたでしょうか?」
 襖に手をかけようとしていた邦昭がふっと止まった。首だけをねじ曲げるようにして後方に向くと、特有の唇の端を歪める皮肉げな笑みを浮かべた。
「さて、いかがしたものか」
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