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第3章 転機

　着物や髪のこの乱れ様は、まるで誰かに乱暴された痕跡のようではないか。
　葛木は若い侍女に盥を持ってこさせ、手ずから徳姫の脚を丁寧に洗った。
　洗い終えた後、畳に座らせ、小さくてやわらかな脚を清潔な手ぬぐいで拭く。水滴を一つも残さぬように丹念に拭いながら、葛木はもう一度、徳姫の顔を見上げた。
「姫さま」
　促すように呼ぶと、徳姫がハッと葛木を見た。