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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第4章 花冷え
 建物そのものは古いのに、正面の額だけはあまり年月を経ていなさそうだ―、徳姫はひそかに思ったものだが、道理で新しいはずだ。
 あの額は一昨年、保邦が筆を取ったものだという。まだ少年の頃から能書家であった保邦に、邦昭が特別に頼んで揮毫して貰ったらしい。
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