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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第4章 花冷え
「保邦さま、そこまで仰せになるなら、私も申し上げます。私も保邦さまと同じ気持ちにございます。婚礼の夜に初めてお逢いしたあのときから、私はただひたすら、ずっと保邦さまだけを見つめて参りました」
 とうとう、言ってしまった。徳姫の心に後悔と安堵が一挙に押し寄せた。
 だが。今、この瞬間、彼女の胸をより多く占めるのは一抹の後悔よりも、惚れた男と想いを通じ合わせられたという幸福感だった。
「―お徳どの」
 突然、引き寄せられた。
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