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第2章 恋の唄

　皮肉にも、後年、両国の間で緊張が高まり、ついに戦の火蓋が切って落とされるに及んだ。戦は二ヵ月あまりに渡ったが、籠城して戦い続けていた長戸正之は備蓄の兵糧も底を尽き城内での餓死者の数が圧倒的に増えたため、ついに自ら長尾側に降伏を申し入れた。
　長尾邦成は、この全面降伏を受け容れたが、その条件として敵の総大将長戸正之以下、家老、主だった重臣すべてが切腹して果てることを示した。