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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第2章 恋の唄
 邦昭の側女は名を知られるだけでも、片手に余るといわれている。戦場に出れば真っ先にと敵陣へ斬り込み、鬼神のごとき戦いぶりを見せるというが、二十七歳の若さで一日中酒色に溺れる怠惰な日々を過ごしていては、健康を損なってしまうのではないか―と、徳姫は名ばかりの良人の身を気遣う自分に呆れ、空しさを感じるのだった。
 邦昭との出逢いは、あまりにも悪すぎる。結局、あの夜、大広間で行われるはずだった祝言は行われず、徳姫はそのまま邦昭の〝妻〟として永尾城で暮らすことになった。
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