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剣道少女の憂鬱
第23章 月夜の散歩
―――…

熊谷は頭に浮かんだバカな考えを振り払うように、サヤの首輪のリードを乱暴に引いた。

「あぐッ」

「そろそろ腹が冷えてションベンしたくなっただろ?ここでしろ」

「こ、ここで…?」


サヤが振り向き、熊谷の顔を見上げる。
『ここ』とは学園長室のドアの前だった。

いつまでも熊谷が命令を撤回しないため、本気だと悟ったサヤは躊躇いながらも和式便器でする時のように腰を落とす。




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