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第28章 エピローグ

「ケンキチ〜！いい子にしてたか？」

にこやかに帰宅したサヤを、熊谷は格子越しに憮然とした表情で迎えた。

「なぁ、いい加減に出してくれよ。あれから１ヶ月も経つんだ、もう充分気が済んだだろ？」

「駄目だ、ケンキチはすぐ浮気するから」

学生時代よりシャープに研ぎ澄まされた美貌が、拗ねたように上目遣いで熊谷を見つめる。

「〜〜〜ッしねぇよ!!」

かつて一目で惹かれた女にこれほど想われていて、他の女に心移りするはずがない。

「本当に？」

「当たり前だ」