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ビターチョコレート
第5章 愛しさと背徳の背中合わせ。
「俺が月なんだよ。
太陽のような情熱はない。
情熱的にはなれない冷めた一面もある。
それでいいと諦めもある。
静かに波風立てる事なく、
過ぎてくれたら、
それでいい」


「誰だってそうよ。
波風立たない平凡を望むわ。
むしろ、暑苦しい理想論だけの情熱なんていらないわ」

「だね」

この話はここで終わった。

私が太陽で、
あなたが月なら
対照的ね。

決して一緒になる事はない。

一緒に輝く事もないし、
空には二ついっぺんに出る事は、
許されない。

何となく、
私達を形づけされているような気がしたわ。

一緒にはなれない。
分かってる。
許された時間の二人だから。


だから、燃え尽きてしまえばいい。
灰になるまで。
灰になったら、一緒に流されよう‥‥‥

灰になれば、
もう必要とされないのだから。
しがらみもなくなるわ。
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