パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第9章 不倫の果て‥‥‥未来へ

「雅人。
私は、自分の人生はなんて不幸なんだと、
思っていたわ。
雅人と知り合うまではね。

人一倍、
結婚に憧れたの。
可愛いお嫁さんになるのが、
私の夢だったのよ。

美味しいものを沢山作って、
綺麗に部屋を掃除して、
いい香りの洗濯に仕上げて、
毎日、私は旦那さんの話し相手になるの。

今日の何気ない話を二人でするの。
平凡で代わり映えのない日々で、
時々、同じ話を繰り返したり、
過去に帰ったり。
それでも夫婦の時間を大切にするの。
休みの日は買い物をしたりね。

子供が出来ても、
パパやママは仲良いねって言われるの。

キスもするの。
手も沢山繋ぐの。
不倫なんて、無縁な家庭のはずだったの。

私の結婚生活はね‥‥‥‥
そのはずだった。
現実は、裏返しにした汚れた靴下のような、
結婚生活だったわ。

ギスギスして話し合いなんてなくて、
話し合うどころか、
二人になったら喧嘩ばかり。

夫を永遠に愛して、
裏切らないはずだったのに、
憎んで冷めた感情しか持てなかった。

そんな自分が嫌いだった。

雅人に会えてからだよ。
私が好きな自分を取り戻せたのは。
私は雅人が好きな自分が好きなの」


「俺？」

「うん。
好きな人が居るから
毎日頑張れた。

雅人が居たから、
そんな生活も堪えられた。
悪い事をしているのに、
幸せなの。

きっと罰が当たるはね」


「梓
俺もだよ。
上手くいかない環境の中で、
癒しを求めたよ。

そんな時、
梓に出会った。

俺も梓が居たから、
頑張れた」