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第22章 心を占めるもの

「荷造り？」
「僕、ニナのこと黙ってたでしよ。それはやっぱりいけないことだからってことで、警備局を辞めて故郷に帰るんだよ。だからこれからその荷造りをしなきゃいけないんだよね」
笑いながら話すナミキに、ニナは困惑した。
どうしてそんな風に笑っていられるのだろう。
黙ってさえいなければ、警備局にニナのことを突き出してさえいれば、ナミキが警備局を辞める必要もなかったはずだ。
なのに、目の前にいる男はそんなことを気にする様子もなく、いつものようにへらりと笑っていた。