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第27章 身分

ハクトが、自身の身分をあまり良く思っていないことは知っている。
だが、今はその身分を利用しなければ、こんな夜中に王城へは入れない。


「――――殿下」


リノは、ハクトを敢えてそう呼んだ。
翔華国第二王子、ハクト・レギ。
この国で、三番目に尊い血を持つ者。
リノは胸の前で手を組み、頭（こうべ）を垂れた。
「どうか今すぐお伝え下さい。陛下と、…この国のために」
「……………わかった」
ハクトは静かに頷いた後、家令を呼びつけた。