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第37章 葛藤

ハクトの気持ちは嬉しい。
火北地方の視察中とはいえ、予定の視察が終われば必ず光燐村を訪れてリノに会いに来るハクトに少なからず絆されていることは否めない。
妃云々は関係なく、リノはハクトに惹かれていた。
なにより、今も孤独だというハクトの心を守りたいと思ってしまう自分に気付いてしまった。
だけど。
「……私だけが、誰かと幸せに添い遂げるなんて、いけないことなのに……」
リノは頭を抱えた。