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私達が人間を辞めた日
第6章 愛しい人

「出ろ!!」
「嫌あああ!!」

どんなに抵抗しようが男二人に敵うわけなく...髪を引っ張られ...背中を蹴り飛ばされて檻の外に倒れ込む。毛布はヒラリと舞った。
そのまま前髪を引っ張り顔が上げられると首輪にリードが繋がれる...
強く引っ張られパラパラと落ちる髪....
涼に綺麗だと褒められ...高校の時から一度も染めたりせずに保ってきた黒のロング...

ごめんね...涼ちゃん...私...涼ちゃん以外に...裸...見られちゃった...

「立て!!!早くしろ!!!」
「嫌...」

両手も後ろ側で手枷を着けられ...せめてもの思いで俯せで首を振る。
男は足で私の肩を持ち上げ、体を横に転がそうとする....
仰向けになりかけてさらけ出した胸を隠そうと再び体を俯せにしようとした瞬間...

ゴスッ!!

「がはッ!!!」

腹部にめり込む足...息が詰まる衝撃...

「立て!!!」

男は容赦無く私を蹴り付け...踏み付ける...
部屋の中心で暴力を受けるのは他の女への見せしめなのだろうか...

「...もう...やめてください...」

私じゃない...女性の震えた声が音量の割りにはっきりと響いた...男の暴力も止まる...
激痛に涙しながら声の方向に視線を送る...
声の主の居る檻のプレートには「7」と記されていた。
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