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私達が人間を辞めた日
第6章 愛しい人

その女性は相当若い...おそらく十代だ。檻が横並びの為今まで一桁台の檻の主の姿は見れなかった。
そして残酷な程...真新しい生傷が体中を飾っている...7番は再び口を開く...

「...やめて...ください...呼び出しは...私が...代わります...」
「泉ちゃん辞めなさいッ!!」

遠目でも震えているのが解る程の7番が言うと、今度は隣の「6番」が叫んだ...
私より年上に見える6番にもおびただしい程の生傷....
...なんで...そんなに震えてまで...私を...

【ビーーーーーーーー】

大きなブザー音が鳴った...

『7番...不適切な発言...減点1』

男の声...減点って何...?
6番は険しい表情で必死に7番に囁きかけている...7番は弱々しく震え...6番は涙を流している...
それだけで悪い事というくらい解る...

「この場合どっちが優先だ?」
「確認するか...11番がこれじゃあな...」

男二人の会話が耳に届く...私のせいで...あの娘が...?
私は痛む体で必死に立ち上がり...手は使えないので無線機を持った男にもたれ掛かった。

「ごめんなさい...立ちます...行きますから...」

男二人は顔を合わせ少し黙考した後、リードを引いて歩き出し...私はよろよろと連れられた...
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