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夢のうた~花のように風のように生きて~
第5章 《花塵》
 定市にとっては、お千香も腹の赤子も所詮は、何の意味も持たないのかもしれない。そう思うと、一抹の淋しさを感じずにはいられなかった。腹の子は、お千香には定市から受けた辱めの記憶を呼び覚ますものでしかない。そう思ってきたが、美濃屋に帰ってきて穏やかな日々の中に身を置くようになって、その心境も変わった。
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