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夢のうた~花のように風のように生きて~
第5章 《花塵》
 応(いら)えはない。訝しく思って振り返ったお千香の前に佇んでいたのは定市であった。
 お千香の顔色が見る間に青ざめてゆく。
「まるで幽霊を見たような顔をしてるな」
 定市が皮肉げに口許を歪めた。
「何か―ご用でしょうか」
 声が、震える。
 定市の眉がつり上がった。
「用がなければ、ここに来てはいけないのか?」
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