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夢のうた~花のように風のように生きて~
第5章 《花塵》
「何をしていたんだ?」
 定市が視線を動かし、お千香の手許を見た。
 咄嗟に後ろ手に隠そうとしたのを、定市が有無を言わさず取り上げる。
「あ―、止めて下さい」
 お千香が手を伸ばして取り返そうとしても、定市は返してはくれなかった。
「―」
 定市は何も言わずに小さな産着を眺めている。やがて、その産着を無造作にポンと放った。まるで、要らない物を捨てるような投げ方だった。
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