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夢のうた~花のように風のように生きて~
第5章 《花塵》
―やはり、この男にとって、子どもは取るに足らない存在なのだ。
 判ってはいたけれど、改めて思い知らされてみると、哀しかった。
 自分はこの男に何を期待していたというのだろう。お千香を慰みものとしか見てはいない男に。
 定市がお千香を見た。
「今日は顔色も良いようだな」
 その眼が薄く欲情に翳っている。お千香を求める時、定市は大抵こんな眼をする。そのことを、お千香は知っていた。
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