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夢のうた~花のように風のように生きて~
第5章 《花塵》
 それは、あたかも花びらが風に舞い踊るように、ひらひらと風に巻き上げられ、空の彼方へと運ばれて消えた。
―おみつ。
 ふいに背後でお千香の声を聞いたような気がして、おみつは振り返った。
 もちろん、誰もいるはずはない。ただ、お千香がありしときのまま、文机の上には硯や文箱、筆がきちんと整頓されて置いてある。
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