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喘ぐなら、彼の腕の中で
第18章 超ズルい


“ 仮面にはヒビが入った程度。
歪んだ心は治療できずに様子見。
それでも微妙に進展した気がする ”


このメールが来たの、つい昨日の夜の話だぜ?

ヒビどころか跡形も無く破壊して
微妙だった位置から、一気に目的地へ到達しやがった。


「……すげぇな、マジで」


感動し過ぎて、思わず呟いてしまう。

両親や俺達兄弟がどんなに伝えようとも、心を閉ざしていた莉央に

沙月はいとも簡単に潜り込んで、あんなに優しい笑顔を取り戻させた。


………いや、簡単じゃないな。

昔から優しくて芯の強い、頑張り屋の沙月だからこそ出来た技だ。


「凄いって、沙月ちゃんのこと?」

「あぁ。
やってくれるとは思っていたけどな」


おふくろは俺を見ると、またしてもニヤッと笑う。


「兄弟揃って初恋の女の子だもんね。
惚れ直しちゃったんじゃないの?」




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