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喘ぐなら、彼の腕の中で
第18章 超ズルい


完全に面白がっているおふくろを、ジロッと睨む。


「いつまでもそのネタ引っ張るの止めろ。
彩(あや)にも絶対言うなよ」


熱い抱擁を交わす2人を見ているから
柄にもなく、家に残した嫁に無性に逢いたくなっている。

買い物をドタキャンして、急遽実家に帰ることになった理由を正直に話すと
彩は自分のことのように喜んで、満面の笑みで送り出してくれた。


……あの2人はもう心配ないから

早く帰って、彼女をこの腕で抱きしめたい。


「あら、残念だけど。
翔太が沙月ちゃんのことを好きだったって、彩ちゃん知ってるわよ?」

「……は?」


家路に向かおうとした俺に、おふくろが放った衝撃な言葉。

手に持っていた灰皿を思わず落とす。


「~~~クソババア!!
バラしやがったな!?」

「まぁ~人聞きの悪い。
彩ちゃんが先に気付いたの」

「はぁ!? なんだそれ!
つーか直接会わせたことねーし!」

「写真で見たのよ」



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