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喘ぐなら、彼の腕の中で
第8章 2人の夜


BARを出て、駅の方向にズンズン進んでいく莉央。

……場所を変えて私の奢りで飲み直すのかな?
この辺りは他にも店があるのに、わざわざタクシーで移動して?

って体だけの関係になったし、もうそーいうのはしないんだっけ……


「あーもう遅っせーな」


もたもたと歩く私に近付いてきたかと思った瞬間


「……!!」


右腕をガシッと掴まれた。
そのまま乱暴に引っ張られる。


「ちょ、ちょっと!
やめてよ歩けるってば……」

「うるせぇ、黙ってついてこい」


〜〜な、なんなのよ!

さっきまで静かに傍にいてくれたのに、またこの態度……
つーか人を荷物みたいに扱うな!


引きずられる形で駅のロータリーに着くと
停まっていたタクシーに放り込まれた。


「○○まで」
「え!? どこ!?」


タクシーの運転手に行き先を告げた莉央に、思わず聞くと


「俺のマンション」

「………!」

「今日だけ特別だ。
二度と入れねぇから、道覚えるなよ」



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