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わざとじゃないの
第9章 練習中
「いい?行くよ?」

「はぃぃぃいいいいい」



私の返事が終わる前に先輩はぶっこぎ始めた。


もうそれはそれは凄い勢いで・・・


思わず先輩の背中に抱きついた。


先輩からふあっと洗剤と汗の混じった匂いがする


私はきっと汗臭いんだろうな・・・

制汗剤もせずに来てしまった



先輩はブンブン飛ばして、

スピードを落とすことなく裏道の車の通らないところを走っていく。

虫が目に入るんじゃないかなって心配なくらいだ



10分ほどぶっ飛ばして着いたのは普通の定食屋。

普通の人が漕いだから20分はかかっただろうな


「風が気持ちかった?」

「はい。私の汗は一気に引きましたけど、

先輩は逆に掻いちゃったみたいですね」


先輩の額は汗で光っている。


「あー、やべー

女の子の前で失態だな」

「なに言ってんですかー

私だって先輩の前で汗だくで走ってましたよ」

「確かに!

じゃあおあいこさまだな」

二人で笑って店の中に入る。

もちろん私は店に入る前のこっそりそっと制汗剤のスプレーを自分にかけてから



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