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わざとじゃないの
第9章 練習中
「午後から自主練だなんて本当に運が良かった」


そう言って私に微笑みかけ先輩に私はキュン死にです。


私は思わず下を向いてチャリを押した


元々暑いのに外は炎天下でますます熱く感じる


汗を掻いた、

しかも朝からむくれた顔なんて先輩に見て欲しくない。

っていうか先輩の美貌に釣り合わない


「温泉行く?」

「昨日のですか?」

「うん。俺も練習後ってたまに行くんだ。

あ、でもお腹空いたよね」


正直ぐーぐーだ。


「結構空いてます」

「ははは、だよね。

じゃあこのまま定食屋でも行くかー

白陵サッカー部の行きつけでいいかな?」


白陵と青山の最寄りは一緒。

だからこの辺にある店なんだろう


「はい、喜んで」


先輩はニッコリと笑って言った


「じゃあチャリ貸して?

2ケツしようぜ」


「あ、でもイスが多分低すぎますよ」


先輩はきっと175cmくらいだろう

私よりも15cmくらい高い


「じゃあちょっと上げてもいい?

ちゃんと降ろして返すから」

「あ、はい。どうぞ」


パッとイスを上げると先輩は早速席に座る。


「はい、後ろ座って」


よーーーーく考えたらこれは2ケツ。


なんか・・・青春だな


ニヤニヤする顔を抑えて後ろに乗った。

女子っぽい座り方ではなく、

足をまたがせて座る。
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