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わざとじゃないの
第14章 現実
スーパーのドアを入り、

ゼリー置き場まで歩く。

二人ともよく買いに来るから、どこにあるかは分かっている。

「長瀬先輩と出会ったのは、直樹と別れた日。

あの日は私は温泉に行って、貸切状態なのをいいことに、直樹の愚痴をこぼしてたの」


直樹はそれを聞いて笑った

皮肉じゃなくて、本当の笑った


「わかってるよ、ごめんなさい」

「いや、理央らしいよ。続けて」


半笑いの直樹をチラッと見てから私は続けた


「で、長瀬先輩は男湯に入ってたらしいの。

それで、風呂から出たら声かけられて、電話番号を渡されたの」

「あえて電話番号?やるなぁ」

「え、なんで?」

「だってそれは理央に電話をかけさせるための作戦だろ?メールじゃあ色々怪しいからな」


そういうことを瞬時に察する直樹ってやっぱ男なんだな・・・


「で?電話したの?」

「しなかったの」

「マジで?あーー、だから次の日練習に来たのか」


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