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わざとじゃないの
第4章 険悪
ふっざけんな

普段はそういう発言気にしないよ

私もそういうこと言うしね

でもさ、飛鳥が直樹のこと気になってるの知った上でこの発言は許せない


「そうかな。バカはバカじゃん」

思わず冷たい声になる

「そうだけど・・・可愛い人は可愛いだろ」

「その可愛さを利用して男とヤリまくってるけどね」

「え・・・そうなの?」

「12人だって」

「やべーな。意外」

「ああいう女嫌い」


直樹は私をチラリと見たけど、

私は直樹と目を合わせない。


「そういうこと言うなよ」


そう、直樹は私が他人の愚痴を言うのを嫌がる。

でも嫌いな人は嫌いだし、

ヤリチンはヤリチンでしょ?

嫌いなのを知った上で愚痴った私も悪いけど、

愚痴を言うなっていう方が無理。


「事実なんだからしょうがないじゃん」

「事実なら口に出してもいいのかよ」

「そんなこと言ってない。私は直樹と違って愚痴を一切溢さずに生きていけないの」

「愚痴を溢すと嫌いっていうのは別だろ」

「いちいち相手を庇うなっ!!」


思わず私は怒鳴った。

なんでこうなるかな

なんで飛鳥を庇うかな

直樹がこういう奴なの分かってる

分かってて最初はそれが好きだったけど、

今では癪にしか触らない
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