この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第35章 希求
 




 ◇◇◇



 "偉大なる朱雀よ我が命で嘆願す鏡より汝の「きからを」鏡で取り払い悪しき「ちかり」に悟られんことを"

 "我は未来を我が地(血?)で「ちりよう」に封じ鏡と民を「きはにかくて」嘆願破られたは別にかけた我が「き」の呪いを発動させたり"

 もう少しで解読できるところまで来たのだが、あと一歩の決め手がない。ユウナが助けを求めるように、動かない襟巻きと化した白イタチの尻尾を優しく撫でる。

「このふたつの文には、鏡が出てきますね」

 目を細めたサクが、読める形で書かれた解読文を見下ろしながら言った。

「これはきっと、"我が命で嘆願す"るのに必要なんでしょうが」

「そうね。嘆願の儀には、嘆願するものの命と、"憤怒"が映った朱雀の鏡が必要だって、ラックーちゃんは言ってたわよね」

『然り。我は憤怒の神獣ゆえに』

 偉そうに言うが、今は鼻の穴が大きい貧相なラクダだ。

「そしてそれは朱雀殿にあった。それがこの石棺になるまでのからくりは置いておいて、その鏡を使うんだとしたらです。汝というのが、ラックーのことだとしたら、ここ」


 "偉大なる朱雀よ我が命で嘆願す鏡より汝の「きからを」鏡で取り払い悪しき「ちかり」に悟られんことを"

「ラックーから鏡で取り払ったものは、力……"ちから"じゃねぇか?」

「ああ、そうしたら今の状況とも一致するわね。嘆願の儀で、ヨンガはラックーちゃんから朱雀の力を取った。だからラックーちゃんはラクダの姿で、力も記憶もない。推測が正しいことになるわ」

『ふむ……』

「だとしたら、"きからを"を"ちからを"と読むのなら」

 サクは地面に書いた。

 き → ち

 "偉大なる朱雀よ我が命で嘆願す鏡より汝の「"ち"からを」鏡で取り払い悪しき「ちかり」に悟られんことを"

 "我は未来を我が地(血?)で「ちりよう」に封じ鏡と民を「"ち"はにかくて」嘆願破られたは別にかけた我が「"ち"」の呪いを発動させたり"
 
/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ