この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第16章 船上 ~第2部 青龍の章~ 
 

 空の青と、海の青。

 その端境にある遠い場所に、蒼陵という蒼い国がある。


 どこまでも澄み渡った"透明さ"に包まれた、まだ見ぬ土地――。

 祀られている神獣青龍のことすら、東方の蒼陵国が祀る神獣のひとつとしてしか知識がない。


 各国の神獣の特性はその国だけに口伝で伝わるものだから、黒陵の姫がわからなくても気にしなくてもいいと、昔ハンが言った。


――まああれだ。神獣の特性は、武神将が引き継いでいるから、ジウ将軍から色々推察してみるといい。


 武闘大会で常に準優勝のジウ=チンロン。

 ごつく、髭だらけでむさい大男であり、色男たるハンとは種が違う。

 正直、最初見た時……獣だと思って恐かった。

 しかもハンのように口が達者で笑い上戸でもなく、どちらかといえば口下手で生真面目で、冗談があまり通用しないような男だった気がする。


「ハンが水……じゃあジウ殿は……? 顔は激しい気性そうに見えるけれど、お話している分には穏やかでおとなしかったような…。だけど戦い方はかなり派手で、そういう点ではハンと共通している気がするけれど…。ジウ殿から想像出来るものはないわ。青龍……龍……にょろにょろ? ジウ殿がにょろにょろ?」


 そしてふと、ユウナは呟いた。


「玄武って……水の神様だと言われてきたけれど、なんで山に覆われた黒陵に祀られていたのかしら? 水の神様なら……海に浮かぶという蒼陵国の神獣、青龍の方が相応しいんじゃ?」


 首を捻りながら、ただひたすらユウナは海を見つめ続けた。

 
/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ