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吼える月
第16章 船上 ~第2部 青龍の章~ 
 


「サク、ねぇサク……」

「………」

「あたしが部屋を出たから怒っているの? だけどあたしサクに伝えたいことがあって。それてであの商人の子に会って……」

「………」

「あたし持ち金がなかったから。だから……」

「………」

「サク、ねぇあたしの髪が短くなったら怒っているの?」

「………」

「サクは、短いのが本当は嫌だったの……っ?」

「………」



 サクは、必死に葛藤と戦っていた。

 まるで1年前の、ユウナがサクの前でリュカを選んだ時のような……、怒りにも似たこの絶望的な悲しみを、どうすれば振り切ることが出来るのか。


 このままこの悲しみの渦に取り込まれたら、1年前となにひとつ変わらない。

 あの出口のない暗闇の状況を打破するためには、自分がそれを納得しなければならないのだ。なにも、今……突然起きた事象ではないのだと。

 それを承知で、自分はユウナに愛を告げたのだと。

 今を犠牲に、未来を変えればいいだけだと。


 だけど心の奥で猜疑心が囁く。


 ホントウニカエラレルノカ?

 
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