この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第17章 船上2
 


 怖れるのなら、訊かずにいればいい――。


 そんな……現実に臆した思いは、闘いを覚悟したサクに逃げを許さなかった。



 呼吸を整えたユウナから出た言葉は、

 
「……次は、一緒がいい」


 少なくとも、"そこ"にはサクはいなかったのだと告げるもので。


 あれだけ愛を込めても、あれだけ尽くしても、そこに自分がいなかった結果に終わったことを憂えるサクは、自嘲的な落胆を感じながらも、ふと、注視は……別のところに向いた。



「"次"?」


 たった今、盛大に達したばかりだというのに?

 恥ずかしいと身悶えして初々しい反応を見せていた割には、性の貪欲さを見せたユウナの変貌が、すっと受け入れられない。


「つ、次を催促されてるんですか?」


 サクに向けられているのは、恨みがましいようにも見えるじとりとした目。……そして、いまだ欲情の熱が消えぬとろりとした目。


「そう。なにひとりで……終わったような顔をしているの?」


 ……まだ、媚薬効果は取れていないらしい。


 しかも――。

 快感を得て満足……ではなく、逆に不満げな顔をしているようにも見える。……それは、男の沽券にかかわる由々しき事態。


「あの……姫様? "恥ずかしい"を連呼しながら、あれだけ派手に達して、それでもまだイキ足りなかったんで……」

「気持ち……よくないわけないでしょう!?」


 ユウナは羞恥の涙で潤んだ目でサクを睨み付けるが、熱を見せるその目においては、ただの流し目を送ったに過ぎない。


「じゃあ、ええと……?」


「……恥ずかしくてたまらないのよ!! あまりに気持ちよすぎてたまらなくて、ひとりで……その、痴態をサクに見せたから。サクもって言ったのに、あたしひとり……その……その……もうわかってよっ!!」


 言い難いのか、拗ねた顔は羞恥に紅く染まり、うまく表現出来ない悔しさを八つ当たりするように、ぽかぽかとサクの胸板を叩く。

/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ