この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第25章 出現
 

「はあああ!? そんな奴なんていないよ、あそこには!!」

「だがジウ殿は"報告"は受けている。本人がそう言ったんだ」


 ジウの目は見開いたままだ。


「ありえないよっ、皆小さいんだ。それに皆、兄貴とシバを中心に、ジウを恨んでいる。そんな子供がどうやって、兄貴達の目を盗んで父様やジウに連絡とれるというのさ!! 僕だってここに来るのも、凄く慎重に動かねばならないほどなのに! 大体、渦から船は出ていないんだ!! 渦の中の者とどう連絡が取れるのさ!!」

「たとえば……そう、鳥とか。渦の中に入れるのは空からなら簡単だろ」

「誰が鳥を飼っていると!? いないよ、そんな子供!! 鳥を連絡用に使っているのは……っ」


 そしてテオンが顔色を変えて、サクを見た。


「ま、まま、まさかっ!!」

「多分な。鳥を使えぬ子供はいないが、鳥を使える大人はいるだろう。どっちを候補に残す、テオンなら?」


 テオンはジウを見た。


「ねぇ、まさか。

ジウ、まさか兄貴……ギルが!?」


 サクはその答えに、にやりと笑う。



「恐らく、だからこそ……、ギルが子供達を救っていた理由なんだろうよ」

「え、どういうこと?」


「つまりジウ殿があんな御触書を出したのは狂っているからではなく。狂ったふりを見せつけたかっただけ。ジウ殿は昔と変わらず温厚なまま、きちんと自分がしたことについて出た犠牲を、救おうとしている。

特にさまよえる子供を、ギルに託して」


 サクはそして続けた。


「そして子供に、親が居なくとも、海の国…蒼陵で生きるための、海の知識と船の技術を教える。もしかすると、それもギルに託した命令なのかもしれないな。……なあ、ジウ殿?」


/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ