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甘く、深く、繋がって
第8章 刻む印
正面からじっと見つめられていた。真っ直ぐな眼差し。
「真純は誰の?」

……ぇ、今?
こんな状況で……何で?

「誰、の?」
「……さ、斎藤さん」
「ん?」
不安に戸惑う気持ちは緋を纏った目に見つめられて、曖昧になる。
「私は……斎藤さんの、です」
熱い目がスゥッと弧を描く。返されたのは極上の笑み。
「そう。真純は俺の」
魅入られた私は無言でコクコク頷いた。

私は、斎藤さん、の……

甘い鎖に縛られる、快感。
「誰に触らせても駄目。俺だけ、ね?」
首を傾げて確認されて
「はぃ」
うっとりと言葉を返した。
裾を掴んで捲り上げていた手を取られた。
「おいで、ベッドでいっぱい啼かせてあげる」
そっと引っ張って立たせようとしてくれたけど、腰の砕けた私はしっかり立つ事が出来なくて
「抱っこして欲しいの?」
嬉しそうに笑う斎藤さんに顔を覗かれた。
恥ずかしくて頬が熱い。
コクンと無言で頷くとふふっと笑う。
「可愛い」
腕を斎藤さんの首に回させられ、ヒョイと脚を掬われた。
薄いTシャツ越しに感じる男らしい身体つき。
ドキドキ、する……
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