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甘く、深く、繋がって
第8章 刻む印
早い心臓のドキドキが斎藤さんに聞こえているんじゃないかと思うぐらい高く鼓膜を揺らす。

もう、欲しくて堪らない
で も ……

「……ゃ、や て、下さい」
「なぁに?」
腰をグイッと抱き寄せられ、熱く猛るモノが脚に当たる。

……ぁっ

斎藤さんの抱く欲を突き付けられたようで、ドクンと疼きが増した。

あぁ、ダ メ。
挿れて……挿れて、欲しい……

でも、ダメ……
ダメ……なの

……堪らない
狂いそう……

「っ、続けて……下さい」
言った瞬間、グイッと身体を返された。私の腕を解いて頭の上に縫い止める。上から見下ろす緋い、瞳。じっと私を見つめ、はぁと熱い息を吐く。
「ではご要望にお答えして……ごめんね、先に謝っとく。明日、仕事休んで」
「……?」
「立てないと思う」
言われてじわじわ顔が熱くなる。
「それぐらい壊したい。……壊して、い?」
強い眼差しにゾクゾクする。

……壊して、欲しい
斎藤さんに、壊されたい……

緋色の瞳を縋る想いで見つめ返した。
「こ、壊して……ください」
私の震えた囁きに斎藤さんがグッと奥歯を噛み締めたのが分かった。

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