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甘く、深く、繋がって
第3章 再会
向けられた艶やかな眼差しにドキドキが高くなる。
「ぁ、の……河合。河合真純です」
「……マスミちゃん?どんな字?」
柔らかなテノールに名前をなぞられて、胸がキュッとする。
「真っ直ぐの真に、糸へんの純−ジュン−、です」
「真 純、ね」

ゆっくり繰り返すのは頭の中に漢字を浮かべてくれているのかな……

「名前イメージと合ってるね」
そういいながら投げ掛けられる微笑みはトロケそうに甘くて、息が苦しい。
「連絡先も教えて」
笑顔のまま斎藤さんが小さいカードをテーブルに滑らせた。
「これ、俺の。連絡待ってるから」
最後は顔をグッと近付け、囁くように告げられた。
耳に吐息がかかって背中がゾクゾクする。思わずギュッと目を閉じた。
「またお越し下さい」
丁寧な言葉の後に聞こえた足音。そっと目を開いたら、もう斎藤さんは隣に居なかった。
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