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甘く、深く、繋がって
第15章 守りたい
「お前、技術の黒田だろ?」
低い声で言いながら彼が立ち上がった。
「……離せよ。逃げねぇから」
鬱陶しそうに肩を振るい、黒田さんが睨み返す。
「具合悪そうだったから休ませてただけ。お前見てただろうが」
確認するように見下ろされて首を振った。
「ち、違います」
「河合さんは違うみたいだけど?」
彼が黒田さんに向き直ったところへ
「黒田、どうした?」
技術の片山課長が人を分けて入ってきた。座り込んだままの私を見て目を開く。
「河合?」
その向こうから田中さんが驚いた顔で走ってくるのが見えた。
私の目線を追って、片山課長がチラリとそちらを振り返る。
「黒田と荒井、あと田中は残れ。それ以外は仕事に戻る。横田、もう良い」
「あ、はい」
横田と呼ばれた男性が黒田さんの戒めを解き、バラバラと人がいなくなった。
田中さんが私の横に膝をつく。肩に手を添え
「どうしたの?大丈夫?」
私を気遣う柔らかな声に、強張っていた身体から力が抜けた....

田中さんに支えられながら一つ上のフロアにある会議室へ移動する。そして全員別々に、片山課長と後から来た営業の相原課長とに話を聞かれることになった。
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