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甘く、深く、繋がって
第16章 過ぎ去らざる戒め
当時、私たちの話は『現役の国立大生による女子大生強姦・監禁事件』として派手にマスコミに書き立てられていた。私の名前は伏せられていたけれど、知られてない訳がない。
私と啓太の関係を知らなくても、同じ大学の学生だった人たちには、時を同じくして大学を休講し続け、そのまま退学した私が被害者なのは明らかで。
調べようと思えば簡単に分かってしまう。

でも、あの人は最近啓太と話をした様な口振りだった。

……どうして?

あの人が私の知り合いや代理を名乗って面会に行って、啓太は会うかな?
受け取ってはいないけど、弁護士さんの所に啓太から謝罪の手紙が何度か届いてる。それだけ啓太が私の事を気にしてるとしたら……会ってる、かもしれない。
でも、待って。だったら、私に伝わるかもしれないあの人に啓太があんな事を言うのはおかしい。矛盾する。

違う方法で会ったとしても、あんな事を啓太が言うかな?
刑務所の人は本当に反省しているって、再犯の危険は低いって言ってなかった?だから、仮釈放の審議に同意して欲しいって……
おかしくなる前の啓太だったら、絶対に言わない。
本当に反省しているのなら、言うとは思えない。そう思いたいだけかも知れないけど……
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