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甘く、深く、繋がって
第5章 燻るモノ
「あっ、まっ、んん」
再び深く絡めとられた。甘い口付けに身体が火照りだす。
背中を支える暖かい手。ゆっくり押し倒されて

まって、待って!

逃れなきゃと思うのに、斎藤さんに縋りつく手を解けない。
キスは顎を通って喉に首に滑っていく。暖かい舌のねっとりとした感触に身体が震える。
「あっん……やっ、ぁあ」
「声、聞かれちゃうよ?」
知らず高くなった声。私の唇に人差し指を乗せて、でもキスを止めてはくれない。
声を堪えると、比例するように身体の熱が増していく。熱いのに、ゾクゾクする。

や、やだ。や、だ……

必死の思いで頭を左右に振った。
鎖骨の辺りがチリッと傷む。リップ音をたてて、斎藤さんが上体を起こした。
「ごめん。真純が可愛くて、止められない」
少し眉を下げて謝る顔は叱られた子どもの様で、何故か胸がキュッとなる。

でも、止められないって……?

「続けて良い?」
「えっ?」
「駄目?」

さっきのごめん、は?

「ダメ、です」
「残念」
斎藤さんがふっと笑う。

残念って……ダメでしょう?私も斎藤さんも仕事の途中だし、ここバックヤードですよね?
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